ブログ|箱根の旅館ならホテルおくゆもと
箱根登山鉄道のサンナナ、来月 ラストランです。
「走る骨董品」と呼ばれ、そのレトロなルックスと 独特の駆動音に 大ファンな方々がとても多く、ご旅行でお見えのお客様・私達 箱根町住民に 長年に亘り愛され続けて来た『箱根登山鉄道モハ1形 103号・107号(通称「サンナナ」コンビ)』が、7月19日ラストランで引退してしまいます。
方向指示板も、ラストラン仕様のものが付けられていました。
つい先日、このブログにサンナナの写真を載せた時(→過去の記事 この中で4枚目の写真)は 『箱根湯本・強羅間 開業100周年 記念』の方向指示版だったのに すっかり取り換えられてしまって、もう引退の時が 刻一刻と迫って来ていることを感じ、とても淋しい気持ちになります。
都会っ子のお子様達には とても珍しがられる方向指示版につきましても 以前に掲載させて頂いておりますので、ぜひ ご覧くださいませ。→過去の記事
車体側面には、コンビで仲良く並んだ絵柄の ステッカーが貼られ、
また、記念プレートも付けられていました。この4枚目の写真の部分は、ついこの前までは 空欄になっていたと申しますか、何も付いていなかったのです。
5枚目の写真は 先日5月6日に強羅駅行きで営業運行していた時に撮ったもの。(走り去るところを 自分の忘備録的に撮ったので、横にブレている 下手っぴ写真ですみません。)この時は107のナンバーの上の所が空っぽでした。
と、ラストランに向け 特別仕様に変身した姿を見て、淋しくて 淋しくて 淋しくて 興奮ぎみに書き始めておりますが…
本日は この列車について お話しさせて頂きます。
この「サンナナ」は、同社に現存していた 最後の吊り掛け駆動車で、ツリカケ好きの方々には たまらない!また、ツリカケには ぜんぜん詳しくなかった私も すっかりはまってしまった!都市部を走るハイテク列車とは ぜんぜん違う魅力が満載!!なのです。
冒頭でも 少し書きましたが、ツリカケの特徴は なんと言っても “音” です。日本一の急勾配を登る 頑張り屋さんですので、唱歌「汽車ポッポ」の「なんだ坂 こんな坂」という歌詞のように、唸るような音をたてて走るのが とても可愛らしい車両です。
大正8年にチキ1形として登場したモハ1形は、昭和25年頃に車体を木造から鋼製車体へと姿を変え、昭和27年には形式をチキ1形からモハ1形に変更したのだそうです。昭和32年頃にロマンスカー・SE3000形をイメージしたカラーリングに塗り替えられ、その後2両固定編成化工事などを経て 現在まで運行されてきました。
…と 同社より発表されている資料で知りましたが、この「昭和25年頃」「昭和32年頃」という ゆるい表記があるところが、本当に大昔のこと過ぎて 曖昧になってしまっているのでしょう、そんなところも含めて なんとも愛らしく、絵本に描かれている電車君みたいな姿に とても似合うプロフィールです。
「大正」「昭和」「平成」「令和」と100年間近くに亘り 四つの時代を走り抜けてきた、「サンナナ」。皆様の たくさんの思い出がつまった、本当に 多くの方々に愛され続けて来た、この車両とも もうすぐお別れです。
ファンの皆様は 特に ぜひ、また、お初めての方々も この機会に ぜひ、箱根へいらしてみてくださいませ。
フロント 細川